2009年12月12日土曜日

メディアラボ[映像編]  実践!

2009年12月12日(土)10:30〜

11月に3週間連続講座として実施した、メディアラボ映像編。その実践編として実際に映像作品をつくるワークショップを実施しました。
今日の会場は、東京学芸大学美術棟です。映像編の講師、鷺山啓輔さん、坪田義史さん、岩井主税さんを迎え、映像編集がはじまります。
今回素材としたのは、5日(土)地域ラボに参加しながら撮影したものや、参加者が小金井市内で撮影したものです。

キャプチャーのときのポイントから始まり、編集のアドバイスまで。どんな映像を作りたいかを考えながら、参加者と講師が一緒になって作業を進めていきます。

最後の作業は、18時すぎまで及びました。お疲れ様です…!

今回はウェブ公開用に、1〜3分の短い映像作品を制作しました。作品は、後日にウェブ上で公開予定です。お楽しみに!
(ながしま)

2009年12月9日水曜日

月例リレートーク 障害者週間特別編! 「アートで障害という境界を越える」(第5回)


リレートーク#4の会場は歯医者さんのロビーでした ↑

前回より市庁舎を飛び出したリレートークですが、
次回(12/9)は小金井市障害者福祉センターが会場です。
http://e-w-cocolo.com/npo/npo.html


実は、今回の開催にあたって、
上記のようにアクセスが悪いため、
会場変更の話もあがりました。

でも、、今回は障害者週間(12/3-9)にあわせた特別編。
その「現場」で開催することを重視しました。

アクセスは少し悪いかもしれませんが、
それも含めてリレートーク特別編の
テーマを一緒に考えていただきたいと思っています。
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<障害者週間>特別編 月例リレートーク#5

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「アートで障害という境界を越える〜
山之内洋さん(滋賀県社会福祉事業団)に聞く」
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アウトサイダーアート、アウトサイダーライブ、
障害者芸術、ボーダレスアート・・・など
近年、さまざまな場面で障害との関係へつながる
アート活動が増えてきています。

今回の月例リレートークでは、アートを通して、
障害という境界を越えた社会づくりの実践について考えます。

障害者芸術の先進県といわれる滋賀県より、ボーダレス・
アートミュージアム(NO-MA)
やアウトサイダーライブで
有名な「糸賀記念賞音楽祭」を主催する滋賀県社会福祉事業団より、
山之内洋さんにゲストとしてお越しいただきます。

後半は、いつも通り、会場とも議論をしていきます。


日時|2009年12月9日(水)18:00〜21:00
※12月3日~9日は障害者週間です。
会場|小金井市障害者福祉センター(緑町4―17―10)
参加費|500円(資料代)
定員|30人
ゲスト|山之内洋さん(滋賀県社会福祉事業団職員)


ゲストプロフィール|
山之内洋(滋賀県社会福祉事業団企画事業部)
1968年大阪生まれ。龍谷大学社会学部社会福祉学科を卒業後、
信楽青年寮にて勤務。2001年滋賀県社会福祉事業団企画事業部に移る。
2002年より障害者芸術文化促進事業の担当となってからは、
ボーダレス・アートミュージアムNO-MAの創設に関わる一方で、
主として音楽やダンスのワークショップを滋賀県内に広めつつ、
毎年11月にその成果発表の場として『糸賀一雄記念賞音楽祭』を開催している。

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2009年12月6日日曜日

映画フィルムの魅力、発見・再見!〜上映会&シンポジウム

今日から3日間集中の歴史ラボが始まり、明日は地域ラボ
明後日は今回お知らせする上映会&シンポジウムも開催されます!
師走のアクションラッシュ、目白押しです。

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小金井アートフル・アクション! 光とフィルムの映像表現ワークショップ Part3 
「映画フィルムの魅力、発見・再見! 〜 上映会&シンポジウム」

1960〜70年代にかけて家族の記録として普及した8ミリ映画も、1980年に入ってからホームビデオの登場で需要は激減した。メーカーがカメラや映写機を次々と生産中止とするなか、映画の魅力に取りつかれ たホームムービーのユーザーや独自の表現を試みる映像作家たちは、現在でも映画フィルムにこだわって作品を制作している。「光とフィルムの映像表現ワークショップ Part3」では、8ミリフィルム、16ミリフィルムを使って個人をベースに制作された ホームムービー、ドキュメンタリー、実験的な作品を上映いたします。 1940〜60年代に制作されたアメリカのアヴァンギャルド映画の特別上映や、「フィルムを残していくこと」をテーマに、映画監督や評論家が参加するシンポジウムも開催いたします。
デジタル映像とは違った、映画フィルムの優しくて柔らかい画面をご堪 能ください。

■日時:2009年12月 6日(日) 12:00〜 20:00
■会場:小金井市公民館 本館 4F 視聴覚室(東京都小金井市中町4-15-14)
■定員:各回70名

*Aプログラム「いまも残る8ミリフィルムのかたち」
■12:00〜13:00 ■参加費/無料
8ミリフィルムで作品をつくることがますます困難になった現在でも、 8ミリというメディアにリスペクトした小金井在住作家、8mmFILM小金井街道プロジェクトのメンバー(新宅謙吾、清成晋太郎、堀江 武、藤山正直、水由湧、片山 薫)による8ミリフィルム作品集を上映します。
●瞬息……水由 章(1997年、3分、8mm)
●瞬息8……水由 章(2005年、3分、8mm)
市民から寄贈された、50年前の小金井市桜町を記録した貴重なフィルムも特別に上映します。
●桜町の記録……小野 明(1959年3月・5 月、5分、8mm・レギュラー)


*Bプログラム「8ミリによる真摯な眼差し」
■13:30〜14:50 ■参加費/500円
●草とり草紙……福田克彦(1985年、80分、16mmFILM(オリジナル8mm))


*シンポジウム「観る行為と撮る行為〜フィルムを残すことについて」
■15:00〜16:30 ■参加費/無料

パネリスト:大久保賢一(映画評論家)、山崎 博(写真家)、 黒川芳朱(映像作家)、七里 圭(映画監督)、モデレータ:水由 章(映画作家)

*Cプログラム「映画フィルムという魔力」
■17:00〜18:30 ■参加費/500円 ■16 mmフィルム
●エンゼル……辻 直之(2008年、6分)
●UN RELATIF HORAIRE NO.4/時間的相対……太田 曜 (1980年、5分)
●AQUARIUM……川口 肇(1991年、6分)
●MOTION……山崎 博(1979年、5分)
●MARCHING ON……末岡一郎(2009年、10分)
●流れるように 紡ぐように……水由 章(2009年、 6分)
●イコノクラスムNO.1……黒川芳朱(1999年、12分)


*Dプログラム「1940〜60年代アメリカのアヴァンギャル ド映画」
■19:00〜20:00 ■参加費/無料 ■16mmフィルム
●ラジオ・ダイナミクス……オスカー・フィッシンガー(1942 年、4分)
●サイエンス・フリクション……スタン・ヴァンダビーク(1959 年、10分)
●陸地にて……マヤ・デレン(1944年、15分)
●弥撤(ミサ)……ブルース・ベイリー(1963-64年、24分)
●プース・モーメント……ケネス・アンガー(1948年、3分)
●ワンダーリング……スタン・ブラッケージ(1955年、4分)
(作品提供:東京アメリカンセンター)


■お問い合わせは、8mmFILM小金井街道プロジェクトまで、お気軽にどうぞ。
 メール 8mmkoganei[@]gmail.com


主催:8mmFILM小金井街道プロジェクト
   小金井アートフル・アクション!実行委員会
http:// artfullaction.net/

協力: フィルム文化を存続させる会 東京アメリカンセンター
   ミストラルジャパン One's Eyes Film

助成 : 平成21年度文化庁「文化芸術による創造のまち」支援事業
*この事業は、小金井市芸術文化振興計画推進事業です。

2009年12月5日土曜日

歴史ラボ「現代美術の流れを知ろう」第二日目レポート

12月5日、「3日間集中!歴史ラボ「現代美術の流れを知ろう」(12/4-6)」の第二日目の講義が市役所第二庁舎にて行われました。

第二日目の講義は、1950年代のアメリカの抽象主義、フランスのアンフォルメルから始まり、ネオダダ、ポップアート、ミニマルアート、そして1960年代の日本の「もの派」などを俯瞰し、コンセプチュアルアートへ、という流れで行われました。

抽象表現主義、アンフォルメル、カラーフィールド絵画

まず「抽象の黄昏」と題して、上記3つのカテゴリについてのお話でした。
第一日目にお話いただいた「キュビスム」を第一次世界大戦を挟んで受け継ぐ形で発展していったそうです。大戦はヨーロッパを舞台に行われ、戦後のヨーロッパは、ホロコースト、対独協力など、精神の荒廃が進んでいました。
そんな中、美術の中心は戦前のパリからアメリカへと移って行ったそうです。アメリカの美術の発展には、ハロルド・ローゼンバーグ(「アメリカのアクションペインターたち」)やクレメント・グリーンバーグ(「モダニズム絵画」1961年)などの批評家が思想的な流れを作る重要な役割を果たしました。

抽象表現主義は、1940〜1950年代、アメリカのニューヨークを中心に発展しました。1920〜1930年代のキュビストは、社会の比較的裕福な人々で構成されていたのですが、抽象表現主義のアーティストは、移民出身など苦しい生活の人々もおり、また1930年代はアメリカの恐慌の時代でもあり、思想的に社会的な傾倒もあったそうです。

作家としてはジャクソン・ポロック、ウィレム・デ・クーニング、マーク・ロスコ、彫刻家のデヴィッド・スミスを中心に進みました。

特にポロックの『熱の中の目』、『五尋の深み(Full Fathom Five)』、『第1A番』『秋のリズム』『ラベンダー・ミスト』等で、「絵画の依って立つ条件」が模索されている様をご説明いただきました。

ポロックの作品では段々と全体の画面の構成上のヒエラルキーがなくなって行き、(そういったものを「オールオーバーの絵画」と言うそうですが)平面的になり、そして巨大になっていったそうです。
それは次第に「壁紙」と同じような効果を持つ事となり、ファッション雑誌の『VOGUE』の表紙の背景に使われたこともあったそうです。

そしてあまり一般に人気ではなかったそうですが非常に作家に支持を得ていたというデ・クーニングについて。

自由気ままに描かれたアクションペインティングの様でありながら、その構成は実に緻密に組み立てられており、大変長い時間をかけて制作されたものであるということを、製作中のデ・クーニングのアトリエの写真や作品をスクリーンで観ながらご説明いただきました。
ジャスパー・ジョーンズやラウシェンバーグに影響を与えたという例をスクリーンで観ながらのご説明は大変興味深いものでした。

そしてマーク・ロスコ。「瞑想する絵画」とも言われるマーク・ロスコの作品は、鑑賞者をその場にゆったりと留まらせる不思議な力を持っているそうです。
『第25番 黄色の上の赤、灰、白』を例に取り、縦長のフォーマットでほぼ人間の身長くらいの高さ、そして頭、胴体、足を思わせる3つに分割された構成などから、絵画を人間のように捉えていたのでは、というお話でした。

そして鑑賞者の存在を絵画制作の最初から想定して制作されるようになったという文脈で『シーグラム壁画』が挙げられます。これはレストラン「フォー・シーズンズ」の壁画として制作されたそうですが、レストランに飾られることはなかったとか。マーク・ロスコは、60年代から「場を作りたい」という考えにシフトしていったそうです。晩年には『ロスコ・チャペル』という無派閥の協会も建てています。

『シーグラム壁画』は、川村記念美術館で現在も鑑賞することが出来ます。

そしてバーネット・ニューマンに話は移ります。
バーネット・ニューマンは元々批評家で、生活のために高校で美術の教師をしていたそうです。また、労働組合の活動や政治にも関心が高く、ニューヨークの市長選にも出馬したことがあったそうです。キューレーターとしても活動しており、関心のあったネイティブアメリカンの展覧会なども企画したとか。大変アクティブな人物であったようです。そのあと、画家としてデビューしたそうです。

作品としては『創世記—断絶』『モーメント』を経て、『ワンメント1』を1948年に発表し、自ら「これが自分の最初の絵画」と言っていたそうです。赤い地にオレンジの縦線が入っているシンプルな構成で、「図と地」という、知覚の原初的な経験を再現しており、絵画や知覚の始まりを表現しているとか。
このように、作品の中で絵画的なものの始まり、といったものを表現することが多かったそうです。

そして話は絵画から彫刻へ。デヴィッド・スミスを詳しく追いながら彫刻における表現の変遷を見て行きました。

デヴィッド・スミスは1930年代から「構成彫刻」を作ったそうです。『アグリコラの顔』、『室内』と言った絵画的な彫刻、そして代表作の『キューバイXIII』を観て行きました。鉄の素材を使用していながら、とても軽く見える彫刻を作ったりするなど、素材の質感を感じさせない作風があったことから、「蜃気楼のような彫刻」と言われたそうです。

最初に名前を挙げた批評家のクレメント・グリーンバーグが「モダニズム絵画」というテキストの中で、抽象表現主義とは、絵画を絵画たらしめているものは何かということを問うものだった、と言っているそうです。
芸術の上でも分業化が進んでいるので、画家は画家にしか出来ない事をすべきであり、文学や演劇といった他の芸術で表現できるものを絵画からすべて取り払った時に絵画に残ったものを表現するなら、それは、平面である、ということになったそうです。
この考えは、1950〜1960年代には大変な影響力があったそうです。

デヴィッド・スミスの彫刻も、平面的で、まさにグリーンバーグの思想を反映していると言われているそうです。

アンフォルメル

次にフランスで発展したアンフォルメルについてお話は移って行きました。
アンフォルメルは、戦争の影響が強く出た「苦悩する絵画」だそうです。
ジャン・デュビュッフェ、ジャン・フォートリエ、エルズワース・ケリー、デュシャンなどを挙げながら、戦争を引き起こしてしまったそれまでの知性や理性に対する不信感から、段々と戦前の知性や文化が築き上げてきた芸術の価値や歴史に作家の感性が背を向けて行く様になった様子を追いました。

ネオ・アヴァンギャルド(ネオダダ)

1950年代の作家たちがどのような思想的な流れの中で制作をしていったのかを追いました。
当時、思想家のチャールズ・サンダーズ・パースの記号に関する概念が非常な影響力を持っており、それまで記号の主な要素であった「イコン」「シンボル」といったものが絵画の中でも表現されていたのですが、そうではなくて記号の「インデックス」としての意味を絵画作品の中で表現するようになったということでした。

ラウシェンバーグの『自動車のタイヤによるペイント』(1953年)はまさにその好例で、自動車のタイヤの痕跡を魚拓のように紙に写し取った作品です。

そしてジャスパー・ジョーンズの『旗』『的』『数字』『地図』といった作品では、グリーンバーグのモダニズム絵画の主張であった「平面的なるもの」が地図や的といった大衆文化の産物として物理的に入り込んでいる作品を制作しており、その理論がもはや成り立たなくなっていたのではということでした。

そして話はポップアート、ミニマルアート、戦後の日本の「もの派」の話へと移って行き、三日目に続くコンセプチュアル・アートをジョゼフ・コスースを例にとりご説明いただいて、二日目は終了となりました。

地域ラボ「まちの宝物を探そう!」レポート(12/5)


12月 5日(土)10:30〜16:00 小金井市役所西庁舎集合

こんにちは。ワークショップ参加者の三嶋です。

12/5(土)にプランナーの金田裕子さんとデザイナーの松原雅裕さんを講師に迎えて、地域ラボ「まちの宝物を探そう!」が開催されました。

<地域ラボ「まちの宝物を探そう!」ワークショップ 概要>
■日時 2009年12月5日(土)、12日(土)  10:30~16:00
■場所 市役所西庁舎他
■応募対象 小学校4年生以上
■募集人数 20名
■講師 金田裕子(イリュージョンミル)、松原雅裕(デジタリウムプロダクツ)

この地域ラボでは、小金井にあるワクワクするもの、ドキドキするもの、なんか理由はわからないけどキニナルものやイトオシイものなど、これまで見過ごしてきた「たからもの」を探して、世界に一枚しかない自分たちの地図をつくろう!というワークショップです。

まずは参加者の顔合わせ&グループ分け。
参加者は小学生、大学生、大学院生、社会人、主婦、ご年輩の方・・・と年齢も世代も職業もバラバラなメンバー。
他の参加者は友達や家族連れだったり、ワークショップ何回目かの参加だったりして主催者の方とも顔見知りのような様子で、わたしはひとりで、しかも初参加だったので最初はみんなと仲良くできるかすこし不安でした。でも、みなさんいい人で一緒に行動したり作業している間に自然にうちとけちゃいました。
グループの分け方は、このワークショップは全部で2回開催されるので、今回だけの参加者と2回とも参加の人とで分けました。
わたしは今回だけの参加だったので、同じく今回だけ参加の大学院生2人と一緒のグループになりました。

次にグループごとに地図のコンセプト決め。
各グループで何について地図をつくるか、自分たちの地図のコンセプトを話し合いました。
小金井のまちの中にあるワクワクするものやドキドキするもの、イトオシイもの、自分たちの「たからもの」とは何だろう?と考えてみる。
こういう作業はとても新鮮でした。普段つかってない脳みその部分をつかっている感じでした。
みんなで話し合った結果、わたしたちのグループは、「小金井」とは何だろう?どんなまちだろう?と考え、「東京だけど古くてなんともいえない味がある、なんかキニなっちゃう、イトオシクなっちゃうものがたくさん残っているまち」と定義し、そこから「小金井にある昭和の匂いがプンプンしてる、いい味が出まくっている商店をみんなに紹介しよう!」というコンセプトを立ち上げました。

さあ、コンセプトが決まったら、いよいよ小金井のまちに出発です!
でも、その前にワークショップの時間も限られているので、ある程度コンセプトにあった場所を決めてから出発しましょう。
わたしたちは古い商店がいっぱいありそうな小金井街道の商店街と農工大通りに目星をつけ、デジカメ片手に小金井のまちへとくり出していきました。

肉屋なのに肉がほとんどなくて、むしろ肉以外の商品の方が多い、お肉屋さん。
片パッドがかなり主張しているジャケットをショーウィンドウに誇らしげに飾っているのがなんだか微笑ましいテーラー屋さん。
明るくて粋で人情味あふれるお母さんが営んでいる昭和11年創業の買い物に行くだけで元気になれそうな下町パワー全開の豆腐屋さん。
ちょっとヘンテコなでもイトオシクなっちゃう、そしてあたたかいものが小金井のまちにはいっぱいありました。
「カシャ。カシャ。」と小金井の古きよき商店を写真に収めながら、わたしたちはたい焼き(散策途中にみつけたたい焼き屋さんでついつい購入)を頬張り、たからもの探しを楽しみました。

さて地図をつくる素材(写真)がそろったら、いよいよ地図づくりです。市役所に戻り、今度は机に向かっての作業。大きな模造紙や色画用紙。マジックに、はさみに、のり。たくさんの文房具に囲まれたのは久しぶりでなんだか懐かしい気分になりました。

どう地図をつくっていこうか、どんなデザインにしようか。頭の中で想像しながら、コンセプトにあったデザインの地図をつくる。作業をはじめていくうちにいつしか真剣になり童心にかえる。ものづくりの楽しさを改めて実感しました。

最後に、できあっがた地図・制作途中の地図の発表です。今回だけ参加のグループは完成した地図を、次回のワークショップも参加のグループは次回に完成させればいいので作成途中の地図を発表。
それぞれのグループが違うコンセプトで、表現の方法もまったく違っていてそれぞれのグループのよさが出ている。発表を聞いていて、新しい発見や、教わることがたくさんありました。同じ小金井のまちでも、いろんな視点でみてみると、まったく違うものがみえてくる。
ものをみる力と考える力を学ぶことができました。

わたしは今回ワークショップ自体に初体験だったのですが、年齢も世代も職業も違う人たちの交流は、新鮮で新しい発見や学ぶことがたくさんあり、なによりとてもおもしろかったです。
そして子どもも大人もみんな対等な関係でものづくりをする。(むしろ子どもに教わることが多かった・・・笑)
そいう交流ができるワークショップっていいなとしみじみ思いました。またぜひ参加したいです。

このワークショップ、地域ラボ「まちの宝物を探そう!」は今週の12/12(土)にも開催されるので、興味がある方はぜひ参加してみてください。楽しいですよ。
詳しくは、こちらをご覧下さい。 
http://artfullaction.net/2009/12/post-7.html

2009年12月4日金曜日

歴史ラボ「現代美術の流れを知ろう」第一日目

12月4日夜7時から21時、小金井市役所第二庁舎にて歴史ラボ「現代美術の流れを知ろう」の第一日目が開催されました。

参加者は会議室がほぼ満杯の20名以上集まり、外は寒いながらも会場は知的な熱気であふれていました。(ただ、少し暖房は大人しめで、寒かったですね。すみません。翌日からは暖かな空気の中、行われました。)

第一日目は、2〜3日目の現代美術をたっぷりと楽しむために、とりあえず現代美術につながる、近代美術—モダンアートの教科書的な話を駆け足で、ということでした。

(写真はニューヨーク近代美術館が行った「キュビズムと抽象美術」という展覧会の際に当時館長を務めていたアルフレッド・ヴァージニアが作成したモダンアートの流れのチャートです。)

誰もが知っているマネ『草上の昼食』、ティツアーノ、スーラ、モネ、ルノワールなどを駆け足で通り過ぎ、ピカソおよびキュビズムの段になってだんだんと講義が詳細になってゆきます。

ピカソの表現の物理的な表現方法のみならず、政治的な側面やリアリティという概念にまで話が及びます。

例えば、一般によく知られている「迷彩柄」は、第一次大戦に従軍していたキュビストが作ったと言われているそうです。キュビストの中にも、社会と積極的に関わりを持とうとした人たちがいたのだとか。

また、1880年代から、自画像におけるリアリズムに変化が生じ、リアリズムの意味が変わって行ったというお話も興味深いものでした。それまでは鏡に映った自分をモデルに自画像を描いたとしても、映っている洋服は鏡に映ったそのままではなく、左右を現実に合わせて逆にして描いていたそうです。セザンヌの自画像はそのように描かれているそうです。
しかしクールベの自画像は、洋服も鏡に映ったそのまま、左右が現実とは逆になった状態で(日本の着物で言うと死に装束でしょうか)描かれているそうです。
これも絵を描くという行為の捉え方の変化として、非常に興味深いお話だったと思います。

そしてダダ、シュルレアリスムへと話は進み,だいたい1930年代までを第一日目で終えました。

「教科書的」と最初に断られていましたが、教科書では知り得ないたくさんの知識のエッセンスが盛り込まれた、とても濃密な講義でした。紹介していただいた作家と作品の数も膨大で、プロジェクタでスクリーンに次々に映し出される作品を観ているだけでも楽しいという感じでした。

そして、講義は第二日目へ続きます。

3日間集中!歴史ラボ「現代美術の流れを知ろう」(12/4-6)

たびたび事務局のサトウです。
来週は3日間集中の歴史ラボが開催されます。

近代から現代までの美術の流れがテーマです。
講師は広島市立大学芸術学部准教授の加治屋健司さん。
美術の歴史の研究から、アートプロジェクトの現場まで、
さまざまな場面でご活躍の方です。

まだまだまとまった本も少なく、学ぶ機会が
少ない現代美術の流れを知ることができる
とっても貴重な講座です(手前味噌ですが)。

みなさまのご参加をお待ちしております〜。

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3日集中! 歴史ラボ

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「現代美術の流れを知ろう」(12/4-6)
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近代から現代までの美術の流れを、
具体的な作品解説を交えながら学びませんか。

ヨーロッパ、アメリカ、日本における現代美術の
歴史的な展開についてお話しします。

現代美術は、主義や主張に基づく集団的な運動と
されることが多いですが、むしろ、一人ひとりの
作家が行った選択の軌跡として多様な芸術表現の
意味を考えていきたいと思います。

まず、前史として19世紀半ばから20世紀半ばに
かけての近代美術史を概観した後、
抽象表現主義から現代のアートプロジェクトにいたる
歴史の流れを見ていきたいと思います。

日時|12月4日、5日、6日 19:00〜21:00(全3回)
 1日目(12/4)前史としての近代美術 マネからシュルレアリスムまで
 2日目(12/5)現代美術の始まり 抽象表現主義からコンセプチュアル・アートまで
 3日目(12/6)現代美術の広がり パフォーマンス、アースワーク、アートプロジェクト
場所:小金井市役所第二庁舎8階801会議室
対象:高校生以上、どなたでも
定員:40人

申込方法|メールにて(artfullaction[@]gmail.com)まで。
もしくは、直接または電話、ファックスでコミュニティ文化課
(前原暫定集会施設内TEL042-387-9923/FAX042-388-1323)へ

講師プロフィール|
加治屋健司(かじやけんじ)
広島市立大学芸術学部准教授。1971年千葉県生まれ。
東京大学大学院総合文化研究科博士課程、ニューヨーク
大学大学院美術研究所博士課程、スミソニアンアメリカ
美術館研究員を経て現職。近現代美術史を研究。
日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴ代表、
広島アートプロジェクト実行委員会執行委員。
共著に『原典アメリカ史 社会史史料集』(2006)、
『旧中工場アートプロジェクト』(2007)、
『広島アートプロジェクト2008』(2009)、
『アートイニシアティブ リレーする構造』(2009)、
『マーク・ロスコ』(2009)、『Count 10 Before You Say Asia』(2009)等。
共訳に『アンフォルム 無形なものの事典』(近刊)。

2009年12月3日木曜日

インプロ・ダンス ワークショップ2009 第3回

インプロ・ダンス ワークショップ2009 3回目
ファシリテーターの中込裕美です。
全3回のインプロ・ダンスワークショップの最終回の第3回目を行ないました。

2009年12月 3日(木)19:00〜21:00
小金井市前原暫定集会施設 A会議室


まずは、簡単な自己紹介を行い、今までどんなことをしてきたかの紹介も兼ねて、
全3回参加されている方に、1回目と2回目の感想と、今日のリクエストを伺いました。

目を閉じての探求ワークがとても気持ちよかった、ということと、
とにかく楽しく踊りたい、ということでしたので、
前半からすぐに探求ワークを後半から踊ることをメインにした内容で進めることにしました。

まずは、部屋を暗くして、白熱灯のみの照明の中、
半眼・摺足で歩きながら呼吸を意識するワークを行いました。

最初に示した姿勢から、自然と動きやすい歩き方に変化してきたので、
そのままの流れで、目を閉じて、自由に歩いて探求するワークに。
自由にどんどん動ける方もいれば、色々と考えてしまって、なかなか動けなかった方もいたようです。

しばらく個人で探求した後、同じ事を見られる環境でやってみると、
どんな感じがするのか、試してみました。
時間の都合もあり、全員出来ませんでしたが、チャレンジした方、
出来なかった方ともに、いろいろと感じることがあったようです。

次に楽しく踊るワークをと考えて、2つのワークのどちらをやってみたいか、
参加される方がに伺うと、どちらもやってみたいということでしたので、
欲張って、両方行なうことにしました。
とはいえ、時間は限られているので、馴染むまで取り組むというより、
とにかくお試しで体験していただきました。

最初は、両手で体の前で輪っかを作り、歯車のように回転しながら、
他の人とくるくる踊るダンスを行ないました。
2つのチームに分かれ、初めのチームは、同じペアの人といろいろ回転を楽しみ、
もうひとつのチームは、個人でいろいろな人と出会いながら、回転を楽しみ、
ダンスを作っていきました。

次のダンスは、ダイアモンド・ダンスを行ないました。
即興の演劇で、ミュージカルを作るときなどに活躍するダンスです。
4人がひし形に並び、自分の前に誰も見えない人がリーダーとなり、踊ります。
他の人は、自分の一番前に見える人の動きを真似して、グループ・ダンスを作ります。

5チームに分かれて、それぞれに踊りました。
どのチームも、とても素敵なダンスが生まれ、観る側もとても楽しんだようです。

・日常でおどりたいときはあるなと気づいたかも。おどりたいときがあります。
・触れること、物でもカタチのないものでも、とにかく感じることが大事だと思いました。
・またまたニュージャンルだった気がして、新たな楽しみもいっぱいでした。今日は、今までより更に“コミュニケーション”感あるダンスでした(とくに後半)。
・楽しかったです。皆のみるのも楽しかった!みっちりな2時間(弱)でした。もっとながくてもよいなー。と思います。
・ずっと課題だったコトが、このWSに参加して少しずつ答えだったり、そこに辿りつくための路がみえたりできたので、場所は遠かったのですが、とても有意義でした。
・ぐるーっとまわって、いちばんさいしょにイメージしてた“ダンス”も体験して、やっぱり体をうごかせば、たのしいダンスだなって思いました。
・メンバーが毎回ちがったけど、そのメンバーによって雰囲気が違った気がする。場所、時間、人が違うだけで、同じことを違った感じ方で受け取れた。

・自分への感覚が敏感になるというか…。
カタルシスな感じ(笑)なんだかいやされました。
・発見や改めて感心したこといくつもありました。表現するということへの抵抗がなくなりました!
・見られてると思ってるからこそできる「自然」な動きがあるなあと。。。だって部屋に一人でいても踊り出さないですもん!
・自分ってこんな風にうごけるんだ!!と発見がありました。もっと早く来たらよかったと思いました。
・自分(の中)がとても静かだった、それを感じられたのがとても良かった。
・おちつこう、静かになろうと思った時、いつも雑念が入ってしまうが、今日は良いイミで空っぽになれました。

・ダンス、踊りの本来の意味に気付くことができました。
・自分から出てくる感情を表現し、そして他の人が表現するものに刺激を受けることが大切だと思いました。
・目を完全に閉じて身体まかせにしたら、歩みが止まって、何処も動かなくなって、今、身体が調子悪いところがじわじわわかってくる感覚に陥りました…。
・動きたいと思ってたのは頭で、身体は動きたいとは思わなかったのかなーとも思いました。
・「自分の体に素直に」って大事です。素直になることも大事ですが、たまに無茶することも大事だと思います。
・素直、正直の大切さがよく解った!!!体に心に正直に生きていきたいです。この習慣を日常に取り入れたい。

・自分でやることの面白さももちろんのこと、それ以上に他の人のアクションを見る方が面白かったです。
・「体が先生です」というお言葉を体で味わえて大変刺激を受けました。
・なんか良い意味でまだ物足りなかったです。今回のアクションをきっかけにもっと知りたい、もっとやりた欲求が刺激されました。

・体の力がすぅーっと抜けた気がします。
・普段の生活(授業も含めて)のなかで、私は「次は何をしなくちゃいけないのかな?」という意識を持つことが多いのですが、
このワークショップのなかでは「次はどうしようかな?」という思いも持てたし、何より身体に任せてみようという
新しい意識を知ることが出来ました!!気持ち良い状態で家に帰れそうです。

・バレエとは正反対のダンスで、バレエがいかに制限された動きであるか改めて感じさせられました。自分の体に正直になるってすごく気持ちよかったです。
・すごいリラックスできた。キンチョーがほぐれた、肩とか。でも最後のダンスをやるときはちょっとはずかしかった(笑)
・体に正直になるって、気持ちいいことだなぁと思いました。


いただいた感想後、学生さん方のレポートも拝見させていただきました。
ご指摘のひとつに、ワークショップの時間が短いこと、開始時間が遅いことがありました。
また、もっと感じたこと思ったことを話したかったという声もありました。

体が開くまでには時間が掛かるし、開いたらもっと深めたいし、どんどん他者とつながりたくなる…。

インプロ・ダンスワークショップの今後の可能性を示唆していただいたと思います。
ご参加くださったみなさま、ご協力ありがとうございました!